「ICT施工は何から始めればいい?」「高い機材を買わないとダメ?」と悩んでいませんか?
石川県でも導入が進むICT施工ですが、実は最初から高額な機材を自社で購入する必要はありません。
本記事では、石川県の土工基準に沿ったICT施工の正しい始め方や、生産性向上によるメリット、初心者が失敗しやすい注意点をプロが徹底解説します。
外注と内製化の判断基準も分かりますので、最初の1現場をスムーズに成功させましょう!
目次
- 1.ICT施工の始め方|最初に確認すべき「石川県の特記仕様書」
- ・1-1.石川県におけるICT土工「5つのプロセス」
- ・1-2.発注方式(指定I型〜III型・施工者希望型)の基準
- 2.ICT施工のメリット|「本当に儲かる?」生産性向上のデータ
- ・2-1.従来施工と比べて「作業時間34%削減」の実績
- ・2-2.複雑な現場・広範囲な現場ほど利益が出る理由
- 3.ICT施工の注意点|失敗を防ぐ「設計データ」と「建機精度」
- ・3-1.10cmのズレを防ぐ「RTK運用」と精度確認
- ・3-2.知っておくべき最低限の「ICT専門用語5選」
- 4.ICT施工の内製化|「自社対応」と「外注」どちらを選ぶべきか
- ・4-1.内製化が向いている会社の「3つの条件」
- ・4-2.初心者は外注から!「A2」のICT施工サポート内容
- 5.ICT施工のまとめ|まずは機材購入なしで最初の1現場を経験する
- ・何から頼めばいいか分からない時の相談窓口
1.ICT施工の始め方|最初に確認すべき「石川県の特記仕様書」
「ICT施工は何から始めればいい?」「高い機材をいきなり買う必要がある?」と、初めてICTに取り組む会社様からよくご相談をいただきます。
結論からお伝えすると、最初から高額な機材を購入する必要は一切ありません。
まずは、自社が受注した工事の「特記仕様書」と「現場条件」を確認し、信頼できる外部パートナー(経験者)と一緒に、一つの現場を最後まで経験することをおすすめします。
・1-1.石川県におけるICT土工「5つのプロセス」
石川県のICT土工は、次の5つの段階(プロセス)に分かれています。
①3次元起工測量: ドローン(UAV)や地上レーザーで現場を3D計測する
②3次元設計データ作成: 2次元の図面から3次元の施工データを作成する
③ICT建機施工: 3Dデータと連動した建機(バックホウ等)で自動・半自動掘削する
④3次元出来形管理: 施工後の形状を3Dで測定し、規定の精度に入っているか検査する
⑤3次元データ納品: 完成データを電子納品する
発注方式によって、上記の①〜⑤のうち「どこまで実施しなければならないか」の範囲が異なります。

・1-2.発注方式(指定I型〜III型・施工者希望型)の基準
石川県の土木工事では、施工量(土量)に応じて以下のように発注方式が定められています。
発注者指定 Ⅰ型: 掘削10,000㎥以上、または盛土12,000㎥以上(①〜⑤のすべてを実施)
発注者指定 Ⅱ型: 掘削3,000㎥以上、または盛土12,000㎥以上(②・③を実施)
発注者指定 Ⅲ型: 掘削・盛土1,000㎥以上(②・④・⑤を実施)
施工者希望型: 上記以外の対象工事(契約後に受注者から提案・協議)
※上記の施工量はあくまで一般的な目安です。
最終的には「特記仕様書」に書かれた内容と、発注者(役所)との協議内容によって決定します。
1,000㎥未満の小規模土工については、別途個別の要領が適用されます。

2.ICT施工のメリット|「本当に儲かる?」生産性向上のデータ
「ICTはお金がかかるだけで、本当に儲かるのか?」という疑問を持つ経営者様も多いでしょう。
結論から言うと、「適切に経費を計上し、現場の無駄を省けば、確実に利益につながる構造」になっています。
・2-1.従来施工と比べて「作業時間34%削減」の実績
国土交通省が公表した調査データ(令和7年度・ICT土工382件対象)によると、ICT施工を導入した現場では、従来の施工方法と比較して延べ作業時間が平均約34%減少したという実績が出ています。
作業時間が3割以上削減できるということは、それだけ人件費や重機のリース代を圧縮でき、次の現場へ早く移行できることを意味します。
・2-2.複雑な現場・広範囲な現場ほど利益が出る理由
石川県の積算基準では、ICT建機の使用料、3次元測量、3次元設計データ作成などの費用を適切に積算し、設計変更で後から経費を国や県に請求(見積提出)できる仕組みが整っています。
特に以下のような現場では、ICT施工のメリットが最大化されます。
形状が複雑な現場(法面が何段もある、カーブが多いなど)
施工範囲が広く、丁張(ちょうはり)をかける手間が多い現場
丁張設置の手間や、手戻り(掘りすぎ・盛りすぎによるやり直し)を防ぐことで、準備費用をはるかに上回る利益を確保することが可能です。
3.ICT施工の注意点|失敗を防ぐ「設計データ」と「建機精度」
「高額なICT建機を導入すれば、誰でも簡単にズレなく掘れる」というのは大きな誤解です。現場で失敗しないために、絶対に知っておくべき最重要事項が2つあります。
「3次元設計データ」が100%正しいこと
「ICT建機」の刃先精度が完全に合っていること
どれだけ高性能な建機を使っても、大元の3D設計データが間違っていれば、建機は「間違ったデータ通り」にきれいに誤施工してしまいます。

・3-1.10cmのズレを防ぐ「RTK運用」と精度確認
データが正しくても、衛星の受信環境や座標補正に問題があれば、実際の刃先位置とモニター表示にズレが生じます。
実際、VRS(仮想基準点方式)通信を利用していた現場で、補正情報のズレが影響し、前日と翌日で施工した法面に「約10cmもの段差(ズレ)」が発生した事例がありました。
このようなトラブルを防ぐため、当社(A2)では以下の運用を徹底しています。
ICTバックホウではRTK運用を基本とする: 現場内に独自のGNSS基地局を設置し、高精度な補正情報を重機に送る。
現場毎の刃先確認:現場搬入後、TS(トータルステーション)の数字を正として、表示上の数値と実測値が合致しているか確認する。
「ICTのモニター表示を信じすぎない」という慎重な姿勢こそが、手戻りをゼロにする最大の秘訣です。

・3-2.知っておくべき最低限の「ICT専門用語5選」
LandXML: 3次元設計データをやり取りするための世界共通フォーマット。
ローカライゼーション: GNSS(GPS)座標を、日本の公共測量や「現場固有の管理座標」に合わせる座標変換作業。
UAV(ドローン): 上空から写真やレーザーで広範囲を面的に計測する無人航空機。
TLS(地上型レーザースキャナー): 地上に設置し、地形や構造物の3D形状を精密に計測する装置。
キャリブレーション: キャビンのモニターに表示される「重機の位置・角度」と「実際の刃先位置」を完全に一致させるチューニング作業。
4.ICT施工の内製化|「自社対応」と「外注」どちらを選ぶべきか
「すべてのプロセスを自社でできるよう(内製化)にすべきか?」
この答えは、「最初は100%外注(アウトソーシング)からスタートし、徐々に必要な部分だけを内製化していく」のが大正解です。
最初から機材やソフトをフルセットで自社購入すると数千万円の固定費がかかります。
まずはレンタルや外注サービスを利用し、自社に合うかどうかを見極めましょう。
・4-1.内製化が向いている会社の「3つの条件」
将来的に完全内製化に成功する会社には、共通する特徴があります。
3Dデータ作成や測量を担当できる「専任の担当者」がいること
担当者本人が「新しい技術を覚えたい」という強い向上心を持っていること
会社(経営陣)が、初期の学習コストを許容し、長期的に支援する体制があること
・4-2.初心者は外注から!「A2」のICT施工サポート内容
建設コンサルタントであるA2(エーツー)では、石川県の地元施工業者様を中心に、初めてのICT施工をゼロからフルサポートしています。
発注者協議のアドバイスから、起工測量、3次元設計データの作成、ICT建機の初期精度確認、電子納品データの作成支援まで一貫して対応可能です。
発注者様との正式な協議自体は受注者様に行っていただきますが、事前準備や技術的なバックアップはすべて弊社が並走します。
5.ICT施工のまとめ|まずは機材購入なしで最初の1現場を経験する
ICT施工の本来の目的は、「正しいデータと高精度な技術を使い、現場の丁張を減らし、工期を短縮して安全に利益を残すこと」です。
まずは特記仕様書を確認し、経験豊富な外部パートナーと一緒に「最初の1現場」を最後まで完結させてみてください。
・何から頼めばいいか分からない時の相談窓口
「自分の現場がICT対象なのかよく分からない」「外注したいけれど、見積をどう取ればいいか分からない」 そんな段階でも全く問題ありません。
まずは地元の施工事情を熟知したA2(エーツー)へ、お気軽にご相談ください。 現場の状況に合わせた最適な「始め方」をご提案いたします。


